【京都府向日市】老舗の酒屋さんと農家が共同して、こしひかりやひとめぼれの元祖米・旭米を復活しています。米粉ケーキやクラフトビール、米作り体験もやってます!
向日市鶏冠井町の閑静な住宅街の端っこに「梅原酒店」があります。50年続くこの店の2代目、梅原一成さんは、明治から大正期にこの向日市に生まれ、一世を風靡した「旭米」の復活を進める「一穂プロジェクト」の代表を務めます。2022年6月23日に訪問しました。
梅原さんによると、旭米とは、「明治41年(1908年)に、向日町の農家・山本新次郎が稲刈りの際、在来品種の日の出と神力米の植えられていた境界で、強風の中でも残っていた自然交配の品種を見つけたのが始まりです。現在のコシヒカリやひとめぼれなどもこの旭米の血統を受け継いでいる」とのことです。
大粒でふくよかな甘味もあって食べやすく、大正期ころには、良食味品種の「西の旭」として、隆盛を誇った旭米も現在では、ほとんど作る農家もありませんでした。特産品も少ない向日市で旭米を復活して地域活性化につなげていこうと立ち上がったのが梅原さんたち「一穂プロジェクト」の人たちでした。
開発当初は様々な労苦も。一株からの分げつ(種子から出た茎の根元から新しい茎が出てくること)も多く、たくさんの米が成るのですが、落ちやすいという欠点などもありました。昨年の4号では品種改良でその問題も解決してきました。米そのものは、まだまだ大量出荷できる状況ではありませんが、徐々に協力農家や増産農家も増えていきているのだそう。一穂プロジェクトと農家の共同で、田植え体験なども行われています。
一穂プロジェクトでは、「旭米」を地元の方に知ってもらい、京都府の推奨品種米に認可してもらうため、「旭米」を副原料にしたクラフトビールの新次郎2種、酵母や糀もすべて京都産の濁酒(どぶろく)、旭米を100%使用し、丁寧に微粉砕した米粉を委託醸造、製造して販売しています。
クラフトビールは梅原酒店とまちてらすMUKO1Fのcafe6で、米粉は梅原酒店とまちてらすMUKOの特産品コーナーで買うことができます。向日市のcafe6やPâtisserie NICOでは、旭米の米粉を使ったチーズケーキなどのスイーツを販売しています。また2022年7月2日(土)3日(日)に京都トヨタ桂川洛西店で行われる桂川マルシェを始め各種イベントにも参加されています。
梅原さんは、「1本の稲穂から取れる籾が1万倍の収穫に繋がるように、このプロジェクトが大きく成長していき誰もが知る旭米になる一歩をとの願いを込めてプロジェクト名を付けました。多くの人に知ってもらいたいです」と話してくださいました。
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